2008年07月22日
2008年07月21日
石の上にも3年/人生は1万冊の本
別に苦労や我慢もなく、いつの間にかこの読書記を始めて3年がたった。
読んだ本の全てを記事にしているわけではないが、結果として500冊に少し足らない書評が残った。
感覚的に、ワタシはこんな本の読み方をずっとして来ているから、おそらくこの歳まで5,000冊ぐらいの本を読んできたんだろうと思われる。
あと30年間このペースで読書をして、やっと1万冊になるわけだ。
たった1万冊、である。 せいぜい1万冊、なのだ。
だから今日の「この1冊」を大切にしようと思う。
あと5,000冊の本の中に、また素晴らしき出会いがあらんことを。
***

以前BOOKOFFにて入手した、京都を舞台にした2冊。どちらも人気作家の出世作。しかし2作とも「言葉弄り」が凄いな。
読んだ本の全てを記事にしているわけではないが、結果として500冊に少し足らない書評が残った。
感覚的に、ワタシはこんな本の読み方をずっとして来ているから、おそらくこの歳まで5,000冊ぐらいの本を読んできたんだろうと思われる。
あと30年間このペースで読書をして、やっと1万冊になるわけだ。
たった1万冊、である。 せいぜい1万冊、なのだ。
だから今日の「この1冊」を大切にしようと思う。
あと5,000冊の本の中に、また素晴らしき出会いがあらんことを。
***
以前BOOKOFFにて入手した、京都を舞台にした2冊。どちらも人気作家の出世作。しかし2作とも「言葉弄り」が凄いな。
「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦
「鴨川ホルモー」 万城目学
2008年07月20日
「雨の匂い」 樋口有介
2008年07月19日
「窓の魚」 西加奈子
87/487
「窓の魚」 西加奈子 3.0+
うわあ、最初の章を読んだところで、ちょっと傑作の匂いがしてきた。今月は「さよなら渓谷」で決まりかと思っていたが、対抗馬現る、ってとこか。
***
んー、ちょっと期待外れ。
これ、どちらかというとデビュー当時のスタイルに近い作品か。「大阪人情モノ」ではなく、比較的直球の文学スタイル。
鄙びた温泉に来た2組のカップルの1泊2日。その1泊2日が4人それぞれの視点で描かれている。
まあこの手法は、登場人物たちの言葉や仕草の意味が後々はっきりしてくるところがあって、「ああなるほどね」という納得感を醸成しやすい。
しかしこの作品の問題点は、人物誰一人として明確な意思、想い、感情をあらわにしていないことで、結局、そんな登場人物たちに引っ張られて作品全体のトーンがくすんでしまっていることだ。
ワタシが西加奈子に求めるものは、ある種アホっぽい、すこーんと抜けた人情の交換具合なのであって、このように微妙過ぎる深層の、ちょっと外側の話ではない。
次回作はまたアホっぽい泣き笑い話でお願いしたい。
うわあ、最初の章を読んだところで、ちょっと傑作の匂いがしてきた。今月は「さよなら渓谷」で決まりかと思っていたが、対抗馬現る、ってとこか。
***
んー、ちょっと期待外れ。
これ、どちらかというとデビュー当時のスタイルに近い作品か。「大阪人情モノ」ではなく、比較的直球の文学スタイル。
鄙びた温泉に来た2組のカップルの1泊2日。その1泊2日が4人それぞれの視点で描かれている。
まあこの手法は、登場人物たちの言葉や仕草の意味が後々はっきりしてくるところがあって、「ああなるほどね」という納得感を醸成しやすい。
しかしこの作品の問題点は、人物誰一人として明確な意思、想い、感情をあらわにしていないことで、結局、そんな登場人物たちに引っ張られて作品全体のトーンがくすんでしまっていることだ。
ワタシが西加奈子に求めるものは、ある種アホっぽい、すこーんと抜けた人情の交換具合なのであって、このように微妙過ぎる深層の、ちょっと外側の話ではない。
次回作はまたアホっぽい泣き笑い話でお願いしたい。
2008年07月16日
「僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏」 重松清
2008年07月13日
「恋を数えて」 佐藤正午
85/485
「恋を数えて」 佐藤正午 3.0+
「佐藤正午、また読んでみよう」企画第二弾。
もし、万が一、不幸にも本書を初めの一冊に選んでしまった読者は、おそらく2度と佐藤正午の作品に手を出さないのではないだろうか。それぐらい負のインパクト強烈な作品。
本書は水商売の女性の生活、恋愛模様を地味に描いた作品なんだけど、暗い上に昭和的な貧乏臭さが全編横溢していて、色恋沙汰にしても成就するわけもなく、読んでて気分が滅入ること甚だしい。
まあ、本作家の他の作品も読んでいれば、多少毛色の変わった作品ということで許容もできようが、もしこんなのばかり書いてる作家であれば、ワタシとしてもそりゃ無理である。
積極的に砂を噛むような思いをしたいなら、あるいは貧乏臭い思いに浸りたいなら、本書はうってつけの一冊かもしれない。
でも、ワタシはそんなに嫌いってわけでもないんだけど。
「佐藤正午、また読んでみよう」企画第二弾。
もし、万が一、不幸にも本書を初めの一冊に選んでしまった読者は、おそらく2度と佐藤正午の作品に手を出さないのではないだろうか。それぐらい負のインパクト強烈な作品。
本書は水商売の女性の生活、恋愛模様を地味に描いた作品なんだけど、暗い上に昭和的な貧乏臭さが全編横溢していて、色恋沙汰にしても成就するわけもなく、読んでて気分が滅入ること甚だしい。
まあ、本作家の他の作品も読んでいれば、多少毛色の変わった作品ということで許容もできようが、もしこんなのばかり書いてる作家であれば、ワタシとしてもそりゃ無理である。
積極的に砂を噛むような思いをしたいなら、あるいは貧乏臭い思いに浸りたいなら、本書はうってつけの一冊かもしれない。
でも、ワタシはそんなに嫌いってわけでもないんだけど。
2008年07月12日
「さよなら渓谷」 吉田修一
84/484
「さよなら渓谷」 吉田修一 3.5+
出だしの数ページで、今月のベスト1決定。
「悪人」で、また一歩ブレークした感のある吉田修一。本作はその「悪人」と同じ、「犯罪者人生模様」の系列か。
「悪人」は、普通の人々と悪人との境目の曖昧さ、「本当の悪人は誰なのか」という疑問を通して、誰でも些細な偶然で悪人になりうるという危うさを孕んだ作品であった。
本作においては、人と人との関係は加害者と被害者のそれを超えた上に存在しうるか?という点がポイント。
まあ、吉田修一であればこのぐらいの出来は普通であろう。彼の作品に登場する人々には、体臭とも言うべき生々しい存在感がある。本作については尺が短いからか、その匂いが少しばかり薄かったという点で、「悪人」越えはしていないように感じた。
それでも帯に書かれた 「どこまでも不幸になるために私たちは一緒になくちゃいけない。」 との惹句は、読後、さらに重い想いを感じさせる。
ということで、吉田修一作品の感想文がメデタく10件になった。やっぱり、なんだかんだ言って好きな作家の感想が多くなるもんだね。
出だしの数ページで、今月のベスト1決定。
「悪人」で、また一歩ブレークした感のある吉田修一。本作はその「悪人」と同じ、「犯罪者人生模様」の系列か。
「悪人」は、普通の人々と悪人との境目の曖昧さ、「本当の悪人は誰なのか」という疑問を通して、誰でも些細な偶然で悪人になりうるという危うさを孕んだ作品であった。
本作においては、人と人との関係は加害者と被害者のそれを超えた上に存在しうるか?という点がポイント。
まあ、吉田修一であればこのぐらいの出来は普通であろう。彼の作品に登場する人々には、体臭とも言うべき生々しい存在感がある。本作については尺が短いからか、その匂いが少しばかり薄かったという点で、「悪人」越えはしていないように感じた。
それでも帯に書かれた 「どこまでも不幸になるために私たちは一緒になくちゃいけない。」 との惹句は、読後、さらに重い想いを感じさせる。
ということで、吉田修一作品の感想文がメデタく10件になった。やっぱり、なんだかんだ言って好きな作家の感想が多くなるもんだね。
「Y」 佐藤正午
83/483
「Y」 佐藤正午 3.5+
樋口有介に続いて再読シリーズ「佐藤正午」。手始めに「Y」。
久々に読んで感じることは、この作家の上手さ。この手のタイムトリップ物にありがちなややこしさが、作中繰り返される説明によって、自然と読者の中で整理されてくる。腑に落ちる。
構成も良い。この手の話は、過去と現在をどのように織り交ぜて描くかによって、大きく印象が変わってくる。本書は、過去の電車事故直前の情景から始まるわけだが、このプロローグにおいて、本作のほとんど全ての主題が語られている。
ほんの些細な出来事から、電車事故に巻き込まれた女。その事故が原因で死んでしまったこの女を、何とか救おうと18年前の過去に戻り、再びこちら側の世界で18年を生きてきた男。そして別の世界では、その男と親友だったという主人公。
結局、「人の縁(えにし)」とはこのようなものかも、と思わせるような結末も、単なるタイムトリップ物とはやっぱりどこか違う。佐藤正午らしい作品と言える。これは本作家の代表作の1つと言っても、あながち言い過ぎではなかろうて。
樋口有介に続いて再読シリーズ「佐藤正午」。手始めに「Y」。
久々に読んで感じることは、この作家の上手さ。この手のタイムトリップ物にありがちなややこしさが、作中繰り返される説明によって、自然と読者の中で整理されてくる。腑に落ちる。
構成も良い。この手の話は、過去と現在をどのように織り交ぜて描くかによって、大きく印象が変わってくる。本書は、過去の電車事故直前の情景から始まるわけだが、このプロローグにおいて、本作のほとんど全ての主題が語られている。
ほんの些細な出来事から、電車事故に巻き込まれた女。その事故が原因で死んでしまったこの女を、何とか救おうと18年前の過去に戻り、再びこちら側の世界で18年を生きてきた男。そして別の世界では、その男と親友だったという主人公。
結局、「人の縁(えにし)」とはこのようなものかも、と思わせるような結末も、単なるタイムトリップ物とはやっぱりどこか違う。佐藤正午らしい作品と言える。これは本作家の代表作の1つと言っても、あながち言い過ぎではなかろうて。
2008年07月11日
「長い終わりが始まる」 山崎ナオコーラ
2008年07月09日
「夜の桃」 石田衣良
81/481
「夜の桃」 石田衣良 3.5
やはり石田衣良は苦手だ。
なんで苦手なのかもはっきりしている。あまりに俗物である自分を再確認させられるからだ。これは結構な苦痛である。
主人公、45歳。45歳ィ? まあ、性的局面で見た場合、男として最後の一花、みたいな年齢なんであろーか。
いずれにしても都合の良いことだらけの話だ。成功し、人生を謳歌する主人公と、3人の女たち。
最後に主人公は全ての女を一度に失うわけだが、この女関係のリセットっぷりも、考えようによっては理想的に都合が良すぎる。
まあ男のワタシでさえ不愉快な作品なので、女性が読んだらコレどーなのか、ある意味楽しみ。
で、何故に評価3.5なのか?

旬の桃を食え、って話かな?
やはり石田衣良は苦手だ。
なんで苦手なのかもはっきりしている。あまりに俗物である自分を再確認させられるからだ。これは結構な苦痛である。
主人公、45歳。45歳ィ? まあ、性的局面で見た場合、男として最後の一花、みたいな年齢なんであろーか。
いずれにしても都合の良いことだらけの話だ。成功し、人生を謳歌する主人公と、3人の女たち。
最後に主人公は全ての女を一度に失うわけだが、この女関係のリセットっぷりも、考えようによっては理想的に都合が良すぎる。
まあ男のワタシでさえ不愉快な作品なので、女性が読んだらコレどーなのか、ある意味楽しみ。
で、何故に評価3.5なのか?
旬の桃を食え、って話かな?