2008年07月22日

「金色の野辺に唄う」 あさのあつこ

「金色の野辺に唄う」 4.Jun.2008 小学館 「金色の野辺に唄う」 あさのあつこ
 
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「遠ざかる家」 片山恭一

「遠ざかる家」 30.Jun.2008 小学館 「遠ざかる家」 片山恭一
 
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「ジャンプ」 佐藤正午

「ジャンプ」 Sep.2000 光文社 「ジャンプ」 佐藤正午
 
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2008年07月21日

石の上にも3年/人生は1万冊の本

別に苦労や我慢もなく、いつの間にかこの読書記を始めて3年がたった。

読んだ本の全てを記事にしているわけではないが、結果として500冊に少し足らない書評が残った。

感覚的に、ワタシはこんな本の読み方をずっとして来ているから、おそらくこの歳まで5,000冊ぐらいの本を読んできたんだろうと思われる。

あと30年間このペースで読書をして、やっと1万冊になるわけだ。

たった1万冊、である。 せいぜい1万冊、なのだ。

だから今日の「この1冊」を大切にしようと思う。

あと5,000冊の本の中に、また素晴らしき出会いがあらんことを。

***

「京都駅前」

 以前BOOKOFFにて入手した、京都を舞台にした2冊。どちらも人気作家の出世作。しかし2作とも「言葉弄り」が凄いな。
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「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦

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「夜は短し 歩けよ乙女」 30.Nov.2006 角川書店 「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦 3.0+

 まるで少し捩れた「不思議の国のアリス」。

 この作品があれほど受けたってことは、昨今の本邦小説における言語表現が危機に瀕しているということかも。

 まあ、まずは落ち着いて古典を読め。しかる後に本書を読め。

「鴨川ホルモー」 万城目学

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「鴨川ホルモー」 20.Apr.2006 産業編集センター 「鴨川ホルモー」 万城目学 3.5

 「ワンサカ娘」のあたりはかなり笑った。しかしこのCMは、確かワタシが生まれる前からあるぐらい古いもの。本書のゾーンである今の若者に、あの馬鹿馬鹿しさの機微は伝わるんだろーか? まあ本作家自身30歳そこそこなので、そんなことはきっと杞憂なんだろーな。

 はっきり言えば、深みも何もない作品だが、単純に楽しめた。ま、OK。
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2008年07月20日

「雨の匂い」 樋口有介

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「雨の匂い」 Oct.2007 中央公論新社 「雨の匂い」 樋口有介 3.0+

 およそ仕事の為とは思われぬ地域への出張があり、そのために駅で急ぎ購入した本書。最近(でもないか?)の樋口有介、どうよ?

特急あずさ

 甲信越地方梅雨明け。安曇野から見えるはずの北ア南部は、とんでもない入道雲の陰に隠れてしまって残念。ま、これで夏本番。
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2008年07月19日

「窓の魚」 西加奈子

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「窓の魚」 Jun.2008 新潮社 「窓の魚」 西加奈子 3.0+

 うわあ、最初の章を読んだところで、ちょっと傑作の匂いがしてきた。今月は「さよなら渓谷」で決まりかと思っていたが、対抗馬現る、ってとこか。

***
 んー、ちょっと期待外れ。

 これ、どちらかというとデビュー当時のスタイルに近い作品か。「大阪人情モノ」ではなく、比較的直球の文学スタイル。

 鄙びた温泉に来た2組のカップルの1泊2日。その1泊2日が4人それぞれの視点で描かれている。

 まあこの手法は、登場人物たちの言葉や仕草の意味が後々はっきりしてくるところがあって、「ああなるほどね」という納得感を醸成しやすい。

 しかしこの作品の問題点は、人物誰一人として明確な意思、想い、感情をあらわにしていないことで、結局、そんな登場人物たちに引っ張られて作品全体のトーンがくすんでしまっていることだ。

 ワタシが西加奈子に求めるものは、ある種アホっぽい、すこーんと抜けた人情の交換具合なのであって、このように微妙過ぎる深層の、ちょっと外側の話ではない。

 次回作はまたアホっぽい泣き笑い話でお願いしたい。

山梨の温泉
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2008年07月16日

「僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏」 重松清

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「僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏」 Jun.2008 文藝春秋 「僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏」 重松清 3.5

 ぬおーまただ。また母親の話を冒頭に持ってきやがった。どういう積もりだ。ケンカ売ってんのかシゲマツ。

 もうこの手の話なら、寝ながらでも書けるんじゃないか、というぐらい「ちょいとイイ話」の大安売り。しかし、こんな話ばかり続けて読んでいると、その「イイ話」に対する耐性が出来てきて、最後の方は食傷気味。

 理想的なシゲマツの読み方は、他の本の合間にちょこちょこ味わう、であろうか。
 
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2008年07月13日

「恋を数えて」 佐藤正午

85/485
「恋を数えて」 Feb.1987 講談社 「恋を数えて」 佐藤正午 3.0+

 「佐藤正午、また読んでみよう」企画第二弾。

 もし、万が一、不幸にも本書を初めの一冊に選んでしまった読者は、おそらく2度と佐藤正午の作品に手を出さないのではないだろうか。それぐらい負のインパクト強烈な作品。

 本書は水商売の女性の生活、恋愛模様を地味に描いた作品なんだけど、暗い上に昭和的な貧乏臭さが全編横溢していて、色恋沙汰にしても成就するわけもなく、読んでて気分が滅入ること甚だしい。

 まあ、本作家の他の作品も読んでいれば、多少毛色の変わった作品ということで許容もできようが、もしこんなのばかり書いてる作家であれば、ワタシとしてもそりゃ無理である。

 積極的に砂を噛むような思いをしたいなら、あるいは貧乏臭い思いに浸りたいなら、本書はうってつけの一冊かもしれない。

 でも、ワタシはそんなに嫌いってわけでもないんだけど。
 
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2008年07月12日

「さよなら渓谷」 吉田修一

84/484
「さよなら渓谷」 20.Jun.2008 新潮社 「さよなら渓谷」 吉田修一 3.5+

 出だしの数ページで、今月のベスト1決定。

 「悪人」で、また一歩ブレークした感のある吉田修一。本作はその「悪人」と同じ、「犯罪者人生模様」の系列か。

 「悪人」は、普通の人々と悪人との境目の曖昧さ、「本当の悪人は誰なのか」という疑問を通して、誰でも些細な偶然で悪人になりうるという危うさを孕んだ作品であった。

 本作においては、人と人との関係は加害者と被害者のそれを超えた上に存在しうるか?という点がポイント。

 まあ、吉田修一であればこのぐらいの出来は普通であろう。彼の作品に登場する人々には、体臭とも言うべき生々しい存在感がある。本作については尺が短いからか、その匂いが少しばかり薄かったという点で、「悪人」越えはしていないように感じた。

 それでも帯に書かれた 「どこまでも不幸になるために私たちは一緒になくちゃいけない。」 との惹句は、読後、さらに重い想いを感じさせる。

 ということで、吉田修一作品の感想文がメデタく10件になった。やっぱり、なんだかんだ言って好きな作家の感想が多くなるもんだね。
 
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「Y」 佐藤正午

83/483
「Y」 Nov.1988 角川春樹事務所 「Y」 佐藤正午 3.5+

 樋口有介に続いて再読シリーズ「佐藤正午」。手始めに「Y」。

 久々に読んで感じることは、この作家の上手さ。この手のタイムトリップ物にありがちなややこしさが、作中繰り返される説明によって、自然と読者の中で整理されてくる。腑に落ちる。

 構成も良い。この手の話は、過去と現在をどのように織り交ぜて描くかによって、大きく印象が変わってくる。本書は、過去の電車事故直前の情景から始まるわけだが、このプロローグにおいて、本作のほとんど全ての主題が語られている。

 ほんの些細な出来事から、電車事故に巻き込まれた女。その事故が原因で死んでしまったこの女を、何とか救おうと18年前の過去に戻り、再びこちら側の世界で18年を生きてきた男。そして別の世界では、その男と親友だったという主人公。

 結局、「人の縁(えにし)」とはこのようなものかも、と思わせるような結末も、単なるタイムトリップ物とはやっぱりどこか違う。佐藤正午らしい作品と言える。これは本作家の代表作の1つと言っても、あながち言い過ぎではなかろうて。
 
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2008年07月11日

「長い終わりが始まる」 山崎ナオコーラ

82/482
「長い終わりが始まる」 25.Jun.2008 講談社 「長い終わりが始まる」 山崎ナオコーラ 3.0+

 この本、タイトルが良い。タイトルが作品の中身を凌駕してしまった本を初めて読んだ。

 まあ、そんな表現は極端なんで、当然、内容あってのタイトルである。しかし内容についてはどーということもない。美点を捜せば、微妙な心の動きをエラく繊細に描いていることなんだろうが、それにしても小規模過ぎる。

 この作家、たぶんこの小規模さがスタイルなんだということがわかってきた。しかし本作、しいて言えばデビュー作「人のセックスを笑うな」に少しだけ感じが似ているが、どうだろデビュー作は超えてないんじゃなかろーかね。
 

2008年07月09日

「夜の桃」 石田衣良

81/481
「夜の桃」 20.May.2008 新潮社 「夜の桃」 石田衣良 3.5

 やはり石田衣良は苦手だ。

 なんで苦手なのかもはっきりしている。あまりに俗物である自分を再確認させられるからだ。これは結構な苦痛である。

 主人公、45歳。45歳ィ? まあ、性的局面で見た場合、男として最後の一花、みたいな年齢なんであろーか。

 いずれにしても都合の良いことだらけの話だ。成功し、人生を謳歌する主人公と、3人の女たち。

 最後に主人公は全ての女を一度に失うわけだが、この女関係のリセットっぷりも、考えようによっては理想的に都合が良すぎる。

 まあ男のワタシでさえ不愉快な作品なので、女性が読んだらコレどーなのか、ある意味楽しみ。

 で、何故に評価3.5なのか?

1999年7月撮影

 旬の桃を食え、って話かな?
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2008年07月06日

「林檎の木の道」 樋口有介

80/480
「林檎の木の道」 Apr.1996 中央公論社 「林檎の木の道」 樋口有介 3.0+

 んー、やっぱりデビュー作を超えた、とは思わない。

 「ぼくと、ぼくらの夏」と「風少女」を足して割ったような内容。目新しさが全然ない。

 ただ舞台の街が小田急・京王沿線で、ワタシにとって馴染み深いということだけが救いか。まあ、そんなことでも小説の評価は高まったりするわけだが。

 この1ヶ月ばかり樋口有介をまとめて再読してみたが、ここに至っても何故か新作を読んでみる気にはならない。この作家もまた、一芸の作家である。
 
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